司法書士試験に合格したら「即独立」か「就職」のどちらがいいのかを経験者が考えました。

司法書士のタケさん(@takesanblog)です。

司法書士に合格すると、当然ですが自分で事務所を開業することができるようになります。合格してからすぐに事務所を開業することを「即独(即独立)」すると言いますが、即独するには勇気がいりますね。

一方で司法書士試験に合格しても、とりあえずは司法書士事務所に勤務してから独立を考えようという人もいます。

それで、この記事では司法書士試験に合格したら即独立するのか、それとも司法書士事務所に就職して実務経験を積んでから独立したほうがいいのかを、実際の合格者であり司法書士事務所にも勤めたことのある、タケさんが語ります。

結論を先にまとめると…
  • 補助者として勤務経験があるなら即独がおすすめ
  • 独立は早ければ早い方がいい
  • 全く実務経験がないなら勤務して経験を積む
  • ただし何年も勤める必要はない
  • 複数の事務所に勤務してもいい
  • 1、2年勤務してから独立するのが一番おすすめ

即独立することのメリット

司法書士試験に合格して「即独」するメリットは…

  • 事務所経営のスタートが早く切れる
  • 軌道に乗れば収入が増える

事務所経営のスタートが早く切れる

「即独」するメリットの一つは、早く事務所経営のスタートがきれるということでしょう。事務所を経営することは即独でなくても大変です。軌道に乗るまで大抵は3年くらいはかかります。ですから、事務所を開業するのが早ければ早いほどいいに決まっています。

もし30歳で司法書士に合格した人がいたとして、一方は即独立し、もう一方は事務所に10年勤務した後に独立したとしましょう。40歳になった時点で即独した方は安定した事務所経営ができているかもしれません。もう一方ではこれから事務所を経営していくことになります。40歳で事務所を開業して成功するかはわかりません。

年齢的にも後戻りできない状況になっているかもしれません。もし住宅ローンの支払いや家族を養う責任も増えているなら、独立開業はかなりの不安が伴います。

合格した時点ですでにそのような責任がある人は別ですが、若いうちに合格しているなら即独して事務所経営を早く安定させることは大きなメリットと言えるでしょう。

まぁ、仮に失敗しても司法書士の資格があればいくらでも働き口は見つかりますから、どんな状況でも事務所開業してみてもいいと思います。

【司法書士の就職】司法書士試験に合格すれば40代でも就職できるのか?

経営が軌道に乗れば収入アップする

これは「即独」のメリットというよりも独立開業のメリットですが、即独して事務所経営が安定すれば、それだけ収入が安定して多くなります

即独せずに事務所勤務を選ぶと、修行の日々が始まります。はっきり言って司法書士事務所の待遇は良くないです。

資格を持っていても基本給が20〜25万円という事務所がほとんどです。手取りではないですよ。基本給です。

はっきり言って薄給です。

即独して事務所を軌道に乗せれば、あっという間に勤務司法書士の給与を超えることができるでしょう。軌道に乗るまでは大変なことは言うまでもありませんが、やはり早いうちに独立すれば、それほど早く収入をアップさせることができます。

即独立することのデメリット

「即独」することのデメリットは…

  • 実務経験がないことに伴う不安がある
  • 知り合いの同業者に相談することができない

実務経験がないので仕事を受ける不安がある

即独することの1番のデメリット、というか不安要素は「実務経験がない」ということではないかと思います。

司法書士試験に合格すると、いくつかの研修を受けることになります。

  • 中央新人研修
  • ブロック新人研修
  • 司法書士会の研修
  • 特別研修

上記の研修の中で「各司法書士会」が実施する研修があり、その中で「配属研修」という研修があります。

配属研修は近場の司法書士事務所で数ヶ月働かせてもらうことで、実務を経験するという研修です。

しかし、正直言って「配属研修」ですべての実務を経験できるわけがありません。配属される司法書士事務所にもよりますが、雑務しかさせてもらえなかったという話もききます(なんで配属研修を受け入れたのかわかりません)。

実際に、不動産の決済の仕事を例にとれば、3ヶ月くらいの配属研修で学べるのは基本的なことだけでしょう。自信を持ってなんでもこなせるというレベルにはならないと思います。

タケさん
タケさん

わたくしも不動産決済の仕事を自信を持って扱えるようになったのは1年くらい働いてからですかね。

そう考えると、全く司法書士事務所で働いたことのない人が「配属研修」だけの経験で即独するには、かなりの勇気と度胸が必要になるでしょう。

知り合いの同業者に気軽に相談できない

即独することで、もうひとつ心配なことは「まわりに相談できる人があまりいない」ということです。

これは結構大きな問題です。

司法書士業務をしていて何かわからないことがあった時に、気軽に相談できる人がいれば安心できます。業務をしていると思わぬところに落とし穴が潜んでいます。そういうことを経験を積んだ先輩司法書士に相談できる環境が必要です。

即独をすると、そういう経験豊かな司法書士の知り合いがあまりいないことになります。上記の新人研修で会う人も、ほとんど「新人司法書士」です。

そして地元の司法書士会の先輩司法書士に会う機会はなかなかありません。「気軽に「何でも」相談できる関係になるには時間がかかるでしょう。

ところで、司法書士の業務をしていて法令や倫理、司法書士会の規則に違反した資格者は「懲戒処分」を受けることがあります。この「懲戒処分」を受ける人のほとんとが「まわりに業務について相談できる人がいない人」と言われています。

司法書士事務所に勤務する司法書士は、まわりにベテラン司法書士がいますので、業務について分からないことや気をつけるべきことを教えてもらえます。それは将来独立するときにも信頼できる相談相手になってくれますので、心強い存在です。

「即独」する人には信頼できる相談相手があまりいないという意味でデメリットに感じる時があるかもしれません。

タケさん
タケさん

勤務時代の先輩司法書士にはたくさん教えていただきましたし、今でも相談できる頼りになる存在です。自分もそういう存在でありたいと思います。

合格してから事務所に就職するメリット・デメリット

恐らく司法書士試験に合格してから多くの人は、司法書士事務所に勤務する道を選ぶのではないかと思います。

司法書士試験に合格してから、事務所に就職することのメリットは…

  • 司法書士事務所の実務を覚えることができる
  • 働いた当初から毎月決まった収入が得られる

司法書士の実務を覚えることができる

まぁ当たり前というか、このために就職するようなものですよね。

何と言っても司法書士の実務、業務を覚えることができるのが合格してから事務所に就職することのメリットです。

わたくしも司法書士試験に合格した当初は何も実務を知りませんでした。

  • 不動産の決済ってどこから仕事を受けて、どういうところに気をつけて、どうやって段取り組んで進めるの?
  • 債務整理は何を聞き取りして、どんな書類を作成して、どういうスケジュールで進めていくの?

上記のようなことは司法書士会の研修では表面的なことしか教えてもらえません。実際に仕事として経験して初めて理解が深まることもあります。

実務を通して、仕事で気をつけなければならないことを教えてもらったり、自分で危険を察知できる嗅覚を養うことができます。

合格後に実務を何も知らない状態でしたが、司法書士としての仕事ができるようになったのは間違いなく司法書士事務所に勤務したからだと感謝しています。

タケさん
タケさん

わたくしは即独せずに就職して良かったと思っています。

【司法書士の就職・転職】実際に3回転職した経験や感想を語ります

働いた当初から毎月決まったお給料をもらえる

これは合格直後に限らず、勤務司法書士のメリットの一つですね。

特に即独立すると何のコネも知り合いもいない状態なので、ある程度事務所に勤務してから独立する人と比べると仕事を獲得できる可能性がかなり狭まります。

もちろん事務所に勤務してから独立する人でも「何のコネもないよ」という人もいますが、即独する人はなおのことでしょう。独立してからすぐにバリバリ仕事をして稼ぐ、という人は珍しいのではないかと思います。

その点、司法書士事務所に勤務すれば毎月決まった給料が振り込まれます。

仕事を覚えながら給料がもらえるという素晴らしい経験が可能となります。

と思うのは最初の頃だけです。仕事をある程度覚えた後は薄給の扱いに不満が出る人もいるでしょう。

タケさん
タケさん

司法書士事務所は本当に給与安いです。資格者でもそんなに多くはもらえません。早く独立したくなりますよ。

ただ、独立後の不安定な収入に怯えるよりは、働いて給料をいただけるということは精神的にも安心することは間違いなくメリットのひとつと言えるでしょう。

一番おすすめするのは…

司法書士試験に合格してから、即独立するのがいいのか、それとも司法書士事務所に就職して経験を積むのがいいのか、実際の経験者のわたくしタケさんが1番おすすめするのは…

全く実務経験のない人

1年か2年くらい司法書士事務所に勤務して、実務の基本を学んだら独立する方向で動くといいと思います。

やはりある程度はどんな仕事をするか、仕事をする上での心構えや業務の流れなど実際に経験して知っておくといいでしょう。

ただし、あまり長く勤務する必要はありません。あまり長く事務所に所属していると独立する機会を逃すことにもなりかねません。1、2つの事務所に1年くらいずつ勤務するというのもいいでしょう。事務所によって業務の扱い方が違うこともあります。比較して自分なりのやり方を探すという人もいます。

ある程度実務を経験している人

司法書士試験に合格する前から補助者として働いていて、ある程度実務を知っているのであれば「即独立」をお勧めします。

この記事でも述べたように、独立はスタートが早ければ早いほどいいです。

事務所に勤務してもいつまでも安い給与で働くことになるかもしれません。それならば、最初は収入の面で厳しいかもしれませんが、早いうちに独立して軌道に乗せることを考えた方がいいでしょう。もし独立して失敗しても資格があれば再就職は可能です。

この記事では、司法書士試験に合格したら「即独立」がいいのか「就職」するほうがいいのか、ということを自分なりに書きましたが、当然のことながら「その人の経験や状況によって結論は異なる」ということですね。

でも、せっかく資格を取ったからには独立して自分で仕事をする、というのがやりがいがあってお勧めですね。

タケさん(@takesanblog)でした。

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