珍しく連日投稿です。
予備試験・司法試験の勉強の入門者として役立った本を紹介しています。
今回はこちら。
有斐閣のスタートアップシリーズです。
判例教材といえば有名な「判例百選」がありますが、本屋でサラッと読んだ感想では、
うわっ、無理だ。こんなの読んでたら3秒で眠くなる。
とあきらめてしまいました。
そもそも判例本ってこれまで馴染みがなかったんですよね。
司法書士試験と予備試験・司法試験の勉強の違いの一つを挙げるとしたら、判例学習への取り組みと言えると思います。
もちろん司法書士試験でも判例は重要です。択一試験にも必ず出ますので判例を理解する事は欠かせません。
しかし、理解するといっても判例の結論だけ覚えておけば十分でした。一つの判例の詳しい解説、前提などを読み込むということはありません。
さて、困りました。というわたしに救いの手を差し伸べてくださったのが、
またもや「有斐閣」さん。
「スタートアップシリーズ」は判例を学ぶ入門書ならこれしかない、という本です。
もくじ
スタートアップシリーズは判例を学ぶ入門書
私が購入した「スタートアップシリーズ」は
です。なぜか会社法だけ「40!」となってます。
感想は一言でいうと、
初心者にとって読みやすくて分かりやすい!
他にもおすすめの理由があります。
「事案をみてみよう」で事件のおおまかな内容を知る
例えば憲法を例にしてみると、私が持っている憲法の基本書では判例の事案があまり詳しく述べられていません。紙面の関係でそうせざるを得ないのでしょう。
でも、どんな事案でどんな判断が示されたかを知るのは大切です。
その判例の射程を知ることが判例学習では重要だからです(初心者が生意気なこと言ってます)。
というより、事案を詳しく知ると楽しいんですよね。ナマのどういう事件が裁判で争われたかを想像すると、当事者に共感することができます。
あー、自分が同じ立場だったら裁判で違憲の判断してもらいたいよなぁ
とか
こんなこと最高裁判所まで争ったのねー
など裁判例が身近に感じることができます。ですから、事案を詳しく知るということの大切さをこの本で学びました。
「この判決が示したこと」の記載が素晴らしい
全ての判例に対して「読み解きポイント」と「この判例が示したこと」の記載がされています。
「読み解きポイント」はこの判例を読むにあたってどんな点に着目すればいいかが書いてあります。
その点を踏まえて、判決文を読んでみます。
そして判決文の記載の後に「この判例が示したこと」がまとめられています。
この記載が秀逸です。論証としてそのまま使えるのではないかというほどのまとまり具合です。
何回かこの本を読んだ後は、「この判例が示したこと」を読み返せば復習できるくらいです。
初心者の判例勉強は「スタートアップシリーズ」がおすすめ
判例の勉強ってだるいですよね〜。でも避けて通れませんよね。
そんな初心者の判例入門本として、この「スタートアップシリーズ」はおすすめです。
- 事件となった事案のイメージがしやすい
- 判決文のポイントが色分けされているのでメリハリをつけて読むことができる
- 「この判決が示したこと」を読むと要点の整理ができる
- 重要判例や有名な判例が一通り学べる
学習を進めていくと「判例百選」などの判例本も勉強することになると思いますが、最初に手に取る判例本、入門書としてはこの「スタートアップシリーズ」がおすすめです。
私もしばらくはこの本で勉強していこうと思います。
タケさん(@takesanblog)でした。