司法書士の資格を持っている人も、これから資格を取るために勉強を始めようとしている人も、司法書士事務所って実際に就職または転職したらどんなところなんだろう、と考えていませんか?
今まで3つの司法書士事務所を渡り歩いた経験のある、わたくしタケさんが司法書士のリアルな就職事情をお伝えします。
- どんな司法書士事務所を選んだら良いか
- 司法書士試験に合格したけど、年齢で落とされるか不安
- どれくらいの給与がもらえるの?
司法書士事務所への就職を考えている人が知りたい疑問に答えていきます!
もくじ
司法書士法人と個人事務所のどちらに就職すべきか
まず、司法書士事務所に就職しようと考えた場合に考えることは、司法書士法人事務所か個人事務所のどちらに就職すべきかということではないでしょうか?
ということで司法書士法人と個人事務所の比較を以下に述べていきます。
この記事で述べることはあくまでも「一般的な傾向」です。個々の法人事務所や個人事務所によっては当てはまらない点も多くあります。実際に就職・転職する際にはよく職場環境や条件等をよく確認するようにしましょう。
司法書士法人に就職するメリットとデメリット
まず司法書士法人に就職するメリットは、一般企業と同じ雇用形態なので、社会保険を完備していることが多いことです。
社会保険完備くらい当たり前だろ!
って思うかもしれませんが、個人事務所では社会保険無しという所がほとんどです。
わたくしが最初に就職した個人事務所は社会保険無しでした。
厚生年金、健康保険、雇用保険など社会保険にしっかり加入しているということは司法書士法人に就職するメリットと言えるでしょう。
また、この後に具体的に書きますが司法書士法人は個人事務所に比べて給与が高いです。ボーナスもそこそこもらえます。
まぁ、サラリーマンやOLのように企業に勤める感覚だと考えてください。
司法書士法人に就職するデメリットは、司法書士の業務をあまり覚えることができないことです。
司法書士法人は、大きく2つの事務所に分けることができます。
- 不動産登記を専門に行う事務所(登記事務所)
- 債務整理(過払い金請求)を専門に行う事務所(債務整理事務所)
登記事務所に就職すると債務整理の分野の仕事を覚えることはできません。逆もまたしかりです。
そして、多くの司法書士法人は分業制を取っています。つまり、1つの仕事を最初から最後まで行うことができません。
毎日同じ仕事を繰り返していくので、登記業務でも債務整理業務でもひと通りの仕事ができるようになるのは難しいでしょう。
登記専門の事務所ではひたすら申請書を作ってチェックするという、登記ロボットに変身する覚悟が必要かも。
司法書士としてのスキルが上がっているのか不安に思うこともありましたね。
個人事務所に就職するメリットとデメリット
司法書士の個人事務所は、ボスとして司法書士の先生がいて、事務員を何人か雇用しているという形態の事務所のことです。
小規模の事務所で、全体でも10人以内に収まる規模でしょう。
個人事務所に就職するメリットは、色々な司法書士の業務を覚えることができるということです。
個人事務所は経営のために様々な業務をしていることが多いです。
不動産登記、会社登記、債務整理をはじめとする裁判業務、成年後見、さらに民事信託など。将来独立して自分で事務所を開業するために、色々なスキルを身につけたいなら個人事務所がオススメ。
司法書士法人のメリットのところでも触れましたが、個人事務所は待遇がよろしくありません。むしろ悪いと言った方がいいでしょう。
社会保険完備していない、ボーナスなし、おまけに給与低いという三拍子揃っている事務所も珍しくありません。
これなんの修行してんの?
っていう待遇の事務所があるので、気をつけたいところです。
さらに個人事務所はボスのワンマンプレーが色濃くあらわれます。一昔前まではパワハラ、セクハラは当たり前。暴力を振るわれたという人もいました。
個人事務所はアタリハズレの差が激しいです。
えっ、だからこれなんの修行してんの?
ってことにならないようによく注意して選びましょうね。
年齢は転職や就職には影響しない
法務省のデータを見てもわかりますが、司法書士の合格者のほとんどが30代、40代です。
試験に合格しても40代、50代で就職できるのだろうか?
と不安になる方も多いのではないかと思います。
実際に転職を経験した感想
私が司法書士に合格したのは30歳でした。合格者の平均からすると少し若いですが、一般企業に勤める人が転職するとなると少し難しい年齢になるかもしれません。
実際私もこの年齢で採用してくれるところがあるのか不安でした。
そんな状況でしたが、試験合格後に条件のぴったりな司法書士法人に面接してもらったところ、
一発で採用!
というより面接の日に採用が決定です。
司法書士試験に合格してよかったなぁと改めて思いました。
司法書士業界は年齢層が高いです。そういう傾向もあってか30代はまだまだ若い部類です。40代、50代でもラクラク転職、就職できますよ。
司法書士の資格は転職、就職に有利か
転職3回の経験から実感していること
大都市圏の司法書士法人はどこも資格者不足です。
はっきり言って「大都市圏では」司法書士資格者は売り手市場でしょう。
司法書士資格があれば転職、就職に困ることはありません。
司法書士の資格者でも、介護や育児のためにフルタイムで働けない人もおられます。
では司法書士事務所ってパート・アルバイト雇ってもらえないのか。
いえいえ、育児や介護のためにパートやアルバイトをしている司法書士は実際に多くいます。
また、司法書士であっても弁護士を目指している人もいて、試験勉強のためにパートで働いている司法書士もいました。
大都市の決済事務所や債務整理事務所は資格者の人手不足なので、社員募集しかしてない事務所でも「司法書士のパートは採用してませんか?」と尋ねると結構大丈夫だったりしますよ。
実際にわたくしも司法書士法人でパートで働いていました。時間給でしたが結構な金額をもらってましたよ。資格手当までもらってました。
私が実際に経験した勤務司法書士としての待遇
では、実際に司法書士事務所に就職できたとして、
司法書士のリアルな給与ってどれくらいなの?
サービス残業ありのブラック事務所が多いんじゃないの?
ということに関心ある方が多いのではないでしょうか。
司法書士のリアルな年収
私はこれまでに司法書士法人に2回、個人事務所に1回勤めた経験があります。
その頃の年収を教えちゃいましょう。
実際にもらえる金額は個人でバラつきがありますので、あくまでも参考程度にご覧くださいね。
わたしが勤めたことのある司法書士法人の給与は、
- A司法書士法人(登記事務所)年収450万円(賞与含む)
- B司法書士法人(債務整理事務所)年収600万円(賞与含む)
くらいです。いずれも都内の司法書士法人で、1年目からの年収です。
登記事務所と債務整理事務所を比べると、債務整理事務所の方が待遇は良かったですね。
登記事務所の司法書士法人は社会保険はありませんでしたが、債務整理事務所の司法書士法人は社会保険完備。
司法書士法人はだいたい初年度25万円くらいからが多いです。実務経験ないと22万円からとかもあります。
個人事務所だと給与にばらつきがあるが、だいたいは低い金額ですね。月に25万円いけば良いほう。私が個人事務所に勤めていた頃は補助者でしたが、給与は月に18万円くらいでした。
ちなみに司法書士法人の役員になれば1000万円近くの年収も可能です。
司法書士事務所は残業あるの?
不動産登記をメインに扱う司法書士法人や個人事務所の繁忙期は残業を覚悟した方がいいかもしれません。
月の終わり頃や年末、年度末は忙しさのピークです。特に3月末は忙しすぎて事務所の雰囲気もピリつきます。
ただし、サービス残業をさせる司法書士事務所はほぼありません。法律を扱う司法書士事務所ですから、労働基準法に従ってきちんと払ってくれますよ。
ちなみに繁忙期以外の時は残業はありません。定時で退社することがほとんどでした。
サービス残業させる事務所はブラック事務所ですから、事前に残業については確認しましょう!
司法書士の資格を取って転職しましょう!
私が合格した年から比べると、近年司法書士試験の合格を目指す人は少なくなっています。
- 努力して合格しても仕事がない
- コスパの悪い資格
- 将来AIに取って代わられる資格
などとネットでは言われていますよね。
でも、実際に試験に合格して司法書士になってみた者から言わせてもらえば、
司法書士めちゃくちゃオススメです!
合格して資格さえ取れば就職・転職に困ることはないでしょう。
就職して一生懸命に仕事すれば、ちゃんと生活できて家族も養えます。
と言うことで司法書士を目指して勉強している方も、これから勉強を始めて合格を目指そうとしている方も、頑張れば報われますよ。合格後はすぐに働くことができますので、あきらめずに勉強を続けてください!
タケさん(@takesanblog)でした。
- 司法書士事務所に就職・転職したい
- 実務経験を積んで独立開業したい
- 資格はないけど司法書士の仕事を経験してみたい
上記のように司法書士事務所に就職したい、あるいは転職したいと考えている方は多いでしょう。
でも、どの司法書士事務所を選ぶかはとても重要なことです。採用された事務所がブラック事務所だったら大変です。
やりたい仕事とは違う仕事をさせられたら時間の無駄になります。
そんな司法書士事務所への就職のミスマッチを防ぐためには…
プロに任せればいいのです。
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私は現在47歳で司法書士の勉強をしています。今年は午前28.午後26だったのであとは記述次第といったところです司法書士の資格を取れば転職しやすいという記事を読んでとても勇気をもらいました。
コメントありがとうございます。今年の試験でその成績であれば十分に合格レベルに達していますね。択一であと少しの上乗せをして、記述の足切りを免れれば合格可能だと思います。司法書士の資格者不足は間違いなく、転職は簡単にできますよ。ネットの間違った情報に影響されずに頑張ってください。