【過払い金請求】よくある質問や誤解を現役司法書士が徹底的に解説します

司法書士のタケさん(@takesanblog)です。

この記事では、過払い金についての疑問に答えていきます。

  • そもそも過払い金ってナニ?
  • 自分も過払い金を取り戻せるの?
  • 過払い金を取り戻す時の注意点は?

「過払い金」ってよくテレビのCMで聞くと思いますが、大抵の人は

怪しい

とか

詐欺なんじゃない?

と思っているようです。実際に相談に来られた方の半数以上がそう言ってました。

というわけで過払い金についての誤解を正すために、現役司法書士のタケさんが詳しくかつわかりやすく解説していきたいと思います。

過払い金とは?

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過払い金とはカンタンに言うと、貸金業者に返済し過ぎたお金のことです。

どうして過払い金が発生するのか?

アコムとかアイフルなどのいわゆる消費者金融でお金を借りた場合、借りたお金に対して当然利息がとられます。

その利息が貸金業者の利益となるので、なるべく多くの利息を取りたいのが貸金業者のホンネでしょう。

ひと昔まえは利息が29.2%ということも当たり前。

旧出資法という昔の法律では、お金を貸した場合に利息を29.2%まで取ってもいいよ、となっていました。

例えば、100万円を借りたとしたら1年で発生する利息は29万2000円です。単純に1ヶ月の利息は2万4000円。毎月5万円返しても利息に半分も取られます。(厳密に言えば、利息はだんだんと減っていきますので、ずっと利息が2万4000円というわけではありません)

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タケさん

これではなかなか借金が減っていきませんね。

一方で利息制限法という法律もあり、利率は15%から20%までと定められています。

利息制限法には違反するけど、旧出資法では違反しない20%から29.2%までの金利をグレーゾーン金利と呼んでいたんですね。

民事上では無効な金利ではあったが、刑事罰の対象にはならないという状態。

そのグレーゾーンに当たる部分が払い過ぎていたお金ということになります。

ほとんどの消費者金融やクレジット会社は、過去に20%以上のグレーゾーンの利息をとっていました。

過払い金を請求できるかどうかは借りていた期間が重要

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タケさん

過払い金が発生しているかどうかは、どの時期に借りていたかが重要です。

平成22年の6月に出資法が改正施行された結果、全ての貸金業者の最高上限利率が20%まで引き下げられました。

具体的に言うと、

  • 三菱UFJニコス
  • オリエントコーポレーション(オリコ)
  • セディナ(OMCカード、ダイエーカード、クオーク、セントラルファイナンス)
  • JCB(ジェーシービー)
  • イオンクレジット

などの全てのクレジット会社は平成19年4月以降、貸金の利率を18%以下にしています。

消費者金融はどうでしょうか。

  • アイフルは平成19年8月1日から20%以下
  • アコムは平成19年6月18日から18%以下
  • プロミス(SMBCコンシューマーファイナンス)は平成19年12月19日から17.8%以下
  • その他の消費者金融会社は平成22年6月以降に18%以下

上記のように利率を引き下げています。

つまり、上記の期間以前にお金を借りていた場合に過払い金が発生しているということです。

上記の期間以降にお金を借りた場合は、法定利率以内の利息しか発生していませんので、払いすぎたお金はなく、過払い金はありません。

過払い金を請求するにあたり注意すべきこと

過払い金は最後に返済したときから「10年で時効」でなくなる

どんなに昔の過払い金でも請求できるわけではありません。過払い金が時効によってなくなる場合もあります。

時効とは、お金を請求できる権利があったとしても、長い期間それを請求しなかったことによって主張できなくなることを言います。

過払い金は最後の返済から10年で時効により消滅してしまいます。

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タケさん

早めに手続きしなければ過払い金がなくなってしまいます。

キャッシングをしたのかショッピングをしたのか

よくある勘違いですが、クレジットカードで買い物をしただけでは過払い金は発生しません。

あくまでも消費者金融やクレジットカードで現金を借りたかどうかが重要になります。

お金を借りるキャッシングではなく、買い物でクレジットカードを使ったのであれば過払金の対象にはなりません。

過払い金を請求することによってブラックリストに載るの?

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タケさん

そもそもブラックリストというのは正式な名称ではありません。

ブラックリストとは

わたしたちがローンを組んだり、クレジットカードを作って利用したりするとその情報が「信用情報機関」に登録されます。代表的なものとしてCIC(シーアイシー)やJICC(日本信用情報機構)があります。もしも、ローンの支払いが遅れたり、自己破産をした場合などは「事故情報」が記載されてしまいます。その事故情報が記載されることを「ブラックリストに載る」と言います。

よくある勘違いとして、過払い請求をしたら「信用情報に傷がつく」のではないかと考えている人が多いですが、過払い金を請求して取り戻したからといって

信用情報に傷がつくことはありません!

ただし、次の点に注意してください。

完済してから過払い金を請求したほうがいい

過払い金を請求しても信用情報に載らないための条件として、

借金を完全に返済をしてから過払い金を請求する

ということに注意しなければなりません。

過払い金を請求する会社に返済が残っている状態で請求をした場合、過払い金の金額しだいでは「借金整理」の手続きになってしまって信用情報に傷がつく恐れがあります。この点は注意してください。

以下の方は完済していることにはなりません。

  • だいぶ前からお金を借りていて、今も返済が終わっていない
  • キャッシングの返済は終わったけど、カードで買い物の支払い(リボ払いや分割払い)が残っている

特に二つ目の点、キャッシングを返し終えているから完済しているわけではないということに注意してください。

ショッピングの支払いが残っているなら、完全に返済が終わっているわけではありません。

まだまだ間に合う過払い金の請求手続き

過払い金請求のブームはそろそろ終わりか、とネットでは騒がれています。

しかし、まだまだ過払い金の請求できる人は多いというのが実感です。もちろん一時期からするとかなり減ってきてはいます。

でも、だいぶ昔から消費者金融やクレジット会社から借金をしていて最近まで返済していた人は過払い金が発生している可能性が高いです。

最後の返済から10年経過していない人はまだ時効になっていないからです。

自分も過払い金を請求できるかもしれない、と感じている方はお近くの弁護士、司法書士まで相談してはいかがでしょうか?

タケさん(@takesanblog)でした。

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