みなさんは司法書士に仕事を依頼したい時にどのようにして探しますか?自分の知り合いに司法書士がいる、という人は少ないでしょう。そうなると、インターネットで調べたり、タウンページで調べたり、あるいはテレビやラジオの広告で聞いたことのある司法書士事務所に電話してみる、という選択肢が考えられます。
しかし、その司法書士は本当に信頼できるのでしょうか?会ったこともない、話したこともない司法書士です。きちんと仕事してくれるのでしょうか?法外な料金を請求されたりしないでしょうか?心配になりますね。
そこで今回は、本当に信頼できる司法書士をどのように探し、見極めることができるかを現役司法書士のタケさんが考えてみます。
- 司法書士にも色々な人がいるから気を付けよう
- まずは電話の対応やホームページでどんな司法書士かを探る
- 司法書士本人が相談に出てこないなら危険信号
- 前もって費用の説明がない司法書士はアブナイ
- 実際に会ってみて人が良さそうな司法書士を見つけよう
もくじ
司法書士にも色々な人がいる
「司法書士なんて誰に頼んでも同じでしょ」と思っていると痛い目にあいます。なぜなら、司法書士にも当たりハズレがあるからです。これは本当です。
わたくしタケさんはこの業界で20年近く仕事をしています。それだけ長い期間仕事をしているので、いろいろな司法書士を見たり接したりしてきました。その経験を通して分かったことは、
司法書士は変わり者が多い
ということです。
一言で言うと社会不適合者が多い印象です。すぐ切れるおっさん、ヒステリーなおばさん、40代になって初めて仕事をする司法書士、逮捕された同期、暴力が当たり前の事務所、パワハラ、セクハラで有名な司法書士、数え上げればキリがありません。
さすがに同期が逮捕されたって聞いたときはビックリしましたよ
司法書士試験は難関試験ですから、かなりの期間を試験の勉強に費やしている人が多いです。そうすると社会人経験もあまりない人がいます。さらに社会人経験をしたものの会社勤めが嫌になってしまい、司法書士を目指したという人もいますから、なかなかの社会人失格な人が見受けられます。
【司法書士試験初学者向け】3年かかって働きながら独学で合格した者が、予備校と独学のメリットとデメリットを比較してみた 【司法書士の就職】司法書士試験に合格すれば40代でも就職できるのか?そんなアブナイ刑事(デカ)ならぬ、アブナイ司法書士(ショシ)が本性を隠しながら事務所を経営していることがあるので、それを知らずに依頼することは非常に危険なのです。
もちろんほとんどの司法書士はまともです。真面目で誠実な方がほとんどです。ただアブナイ司法書士の割り合いが結構多いので、司法書士に仕事をお願いするときはどんな司法書士なのかを見極めることが必要です。
以下の点を実行しましょう。
- 電話で話してみて様子を伺う
- ホームページをチェックする
- ちゃんと司法書士が対応する事務所か
- 報酬について事前にきちんと説明してくれるか
電話で話して様子を伺う
司法書士に依頼するときにまず行うことは、その司法書士に電話をかけることでしょう。その電話の対応によってその司法書士、もしくは司法書士事務所の印象を知ることができる機会となります。
- 電話口の人の対応はどうでしょうか?
- 高圧的な態度ではないですか?
- 面倒くさそうに話していませんか?
- 言葉遣いはどうでしょうか?
- ちゃんと話を聞いてくれますか?
- 誠実さが伝わってきますか?
電話での対応で結構わかることがあります。司法書士本人が電話に出ているなら、少し話してみて
この人には会ってもいいな
と思えれば問題ないでしょう。でも何か少しでも違和感を感じたら、別の司法書士を探した方がいいです。何件か電話してみて一番対応が良かった司法書士に決めてもいいと思います。
ホームページをチェックしましょう
今の司法書士事務所は大抵ホームページを作っています。ですから依頼する前にはホームページもチェックしましょう。ホームページも千差万別ですので見ているとおもしろいです。
一番気をつけたほうがいい事務所は、お客様目線ではないホームページを作成しているところです。
例を挙げると、
- お客さんに関係のない事務所理念を全面的に押し出しているホームページ
- やたらとアットホームな雰囲気を押し出しているホームページ
- 自分の経歴を延々とプロフィールに載せているホームページ
などです。依頼するお客様からすると上記にあげたことなんて関係ありません。
お客様が知りたいことは、どんな業務を行なっているか、料金はいくらか、司法書士がどんな外見をしているか(人が良さそうかどうか)、どこに事務所があるのか、くらいです。
そんな独りよがりのホームページを作っている事務所はくせ者の可能性が高いですね。
自分が知りたい情報がわかりやすく載せられているホームページであれば、お客様目線の司法書士、つまり気が利く司法書士であることが多いです。
あくまでもわたくしの主観ですから、絶対そうと言うわけではありません。ご了承くださいませ。
実際の相談を司法書士本人がおこなっているか
規模の大きい司法書士事務所にありがちですが、電話でも、実際の面談でも司法書士本人が出てこない事務所はやめた方がいいです。
お客様の相談というのは簡単な業務ではありません。事務所の職員に任せられるようなことではないのです。依頼者から聴取する内容によって手続きする内容も決まってきます。そして何よりも司法書士には厳格な本人確認義務があります。それを職員に任せる事務所は危ない事務所です。
もちろんどこかのタイミングで司法書士に一度は会うことになるでしょう(そうでない事務所もあるようですが)。ただ、最初の相談で司法書士が出てこないというのは、本当に依頼者のことを考えているか甚だ疑問です。本当に大切なのは依頼人と接っしてきちんと話に耳を傾けることです。
司法書士が相談に乗ってくれるのであれば、そこの事務所はお客様を大切にしている事務所と言えるでしょう。
きちんと仕事の内容や報酬の話をしてくれるか
これをやらない事務所があるのか、というくらい大切なことです。
もし依頼するとしたら、
- どんな仕事をしてくれるのか
- それに対してどれくらいの費用がかかるのか
これらを説明してくれない事務所はアブナイ事務所です。
一つ前にも言ったことですが、お客さんは「どんな仕事をしてくれるか」と「どれだけ費用がかかるか」を知りたいのです。それを前もって知らせないのはあり得ません。殿様商売もいいところです。
そして、
- 追加で費用がかかる場合があるか
- どんな時に、どれだけの費用が追加になるか
そういうこともきちんと話してくれる事務所は親切な司法書士事務所と言えるでしょう。
さらに「仕事の進捗状況」も知らせてくれる司法書士事務所も信頼できる事務所です。
きちんと仕事をしていて、あなたのこと忘れてませんよ
という気遣いが感じられます。ですから、手続きの流れなどもきちんと説明してくれる事務所はいいですね。
注意しなければならないのは、
費用が安いからいい事務所とは限らない
ということです。費用が安いということはそれなりの仕事しかしてくれません。誰に頼んでも結局一緒でしょと考える人は司法書士の仕事をナメています。結果は一緒でもそこに至る過程でどれほど細かい処理をしていくかが違います。
司法書士はいろんなリスクを回避するために、裏でかなりの仕事をしています。それだけ責任の重いことをしているので報酬をもらっているのです。ですから報酬を値切るのはやめてください。報酬を値切るなら自分でリスクを負ってください。病院に行ってお医者さんに診察してもらって診察料値切る人がいますか?そんなことをしてると自分の首をしめることに…
…このへんでやめておきましょう…
適正な報酬を提示している司法書士事務所は信頼できると言えます。逆に自分の仕事に適正な価格をつけられない司法書士はアブナイです。
やはり最後は人柄ですね
いろいろと書いてきましたが、正直いうと最後の決め手は司法書士の人柄ですね。
電話で話してみて、実際に会ってみて、相談してみて、その司法書士が親身になって話を聞いてくれる人なら良い人です。時間を取って話を聞いてくれるなら気遣いのできる人です。
その司法書士はあなたの体調を気遣ってくれますか?「ありがとうございます」と頭を下げて感謝してくれますか?ちゃんと目を見て話してくれますか?あなたの分からないことを分かるまで説明してくれますか?
もしかしたら一生で一度しか司法書士に依頼しないかもしれません。でも自分にとって大切なことなので、司法書士選びで失敗して欲しくはありません。
司法書士に依頼する機会があるときに、この記事をみて参考にしてもらえれば嬉しいです。
タケさん(@takesanblog)でした。