2019年9月10日に司法試験の合格発表がありましたね。そして司法書士試験の筆記試験合格発表が2019年10月3日にありました。合格された皆さん、おめでとうございます。これまで本当に多くの努力をしてきたことと思います。合格発表は皆さんにとって忘れられない日となったことでしょうね。
わたしも合格発表の日に法務局に行って確かめましたが、めまいがするほど緊張しました。
さて、司法書士や行政書士の受験勉強が数年かかることもあり、法律が改正されるとその都度勉強しなおさなければならないこともあります。
2020年4月1日に民法の債権法が120年ぶりに改正施行されます。
もし2019年の司法試験や司法書士試験の結果が残念だった方は2020年の試験には新しい債権法が出題されることもあり、来年の試験に向けて改正法を勉強していることでしょう。
もちろん旧法時代に合格したわたしたちも新しい債権法を勉強しなくて良いわけではありません。
法律を扱う専門家として最新の情報を常に取り入れていく必要があります。
というわけで、本記事では債権法改正の勉強に役立つ書籍を紹介したいと思います。
特に司法書士試験の受験生や合格した方に役立つでしょう。
もくじ
改正民法の勉強に役立つ書籍
まず、主な民法改正のスケジュールを下に記しておきます。
- 2019年1月13日→自筆遺言書の方式緩和
- 2019年7月 1日→原則的な相続法の施行期日
- 2020年4月 1日→配偶者居住権、配偶者短期居住権
- 2020年4月 1日→債権法改正
毎年法務省から発表される司法書士試験の受験案内をみると、その年の4月1日現在において施行されている法律が試験範囲になるということですから、2020年度の司法書士試験には確実に改正民法が出題されるでしょう。
まだ全部の改正民法を勉強したわけではありませんが、印象としては
ほぉ〜、かなり変わっているではないですか
という感じです。
というわけで、「ちゃんと改正法を理解しなくては司法書士を名乗れない」と夜も眠れない状態にならないよう購入した書籍たちがこちらです。
はい、どこからどこまでがタイトルなのかよくわからない山本浩司先生のオートマシステムです。
「改」の字が全面に押し出されています。債権法だけでなく相続法の改正についても解説されているのでお得感があります。
オートマシステムはわたしの受験時代にお世話になりました。それで、親しみやすいテキストということもあり、この書籍を購入しました。
山本先生らしく、「なぜ」この法律は改正されたのかという理由や、「連帯債務者の絶対効は3つだけになった」など要点を分かりやすく解説しています。
ただ、簡単に解説しているだけの条文もあり、詳しく調べたいという人には物足りないこともあるでしょう。改正法を学ぶ入門書のように考えればいいと思います。
あ、あと相変わらず誤字脱字が多いです。正誤表で訂正するのを忘れずに。
民法(債権関係)改正と司法書士実務ー改正のポイントから登記・裁判・契約への影響まで
帯に「施行されてからでは遅い!」と煽ってますが、余計なお世話です。
このテキストは主に改正債権法が司法書士業務にどう影響するか、という視点で書かれています。
債権法が変わることによって、登記原因証明情報をどのように変更する必要があるか。また、契約書はどう書き換えなければならないのか、書式例を交えながら解説してくれています。
より専門的な知識を必要とする実務家向けの書籍ですが、受験生が読んでも面白いかもしれませんね。
Q&Aでマスターする民法改正と登記実務 債権関係の重要条文ポイント解説77問
東京司法書士会にいつの間にそんな委員会があったのか、という疑問はさておき、このテキストはより実務家向けとなっています。
逐条解説のスタイルではなく、Q&Aの形式を取っているためケーススタディのように改正債権法を学ぶことができます。
書式が豊富ですし、解説も詳しいので前の2つのテキストでわからないところがあったらこの書籍をみるという参考書のように使っています。
改正民法の勉強頑張りましょう!
120年ぶりの大改正ということもあり、かなりの変更がなされている債権法。
担保責任については表を作って覚えたなぁ、とか債権者代位権と債権者取消権を比較して覚えたなぁ、とか受験時代の知識がまだ結構あることに自分でも驚いています。
以前の知識があるだけに、新たなことを学んで消化していくのは逆に大変ですね。
でも受験生に戻った気持ちで、来年の4月1日までにはひと通りの勉強を終えられるように頑張りたいと思います。
タケさん(@takesanblog)でした。