- 相対評価ゆえに難易度が高い試験になっている
- 基準点を突破することが大前提の試験
- 難関試験ではあるが勉強法を間違えなければ合格できる
もくじ
司法書士試験の難易度って実際どうなの?
司法書士試験は数ある国家試験の中でも難関試験の一つと言われています。司法試験・予備試験、公認会計士は難関試験として有名ですが、「司法書士試験ってどれくらい難しいの?」と疑問に思われている方も少なくないでしょう。
わたくしタケさんは3回の挑戦で司法書士に合格することができました。
【司法書士試験初学者向け】3年かかって働きながら独学で合格した者が、予備校と独学のメリットとデメリットを比較してみたまた、わたしはこれまでに「土地家屋調査士試験」と「行政書士試験」を受験し合格しております。
それらの経験から司法書士試験がどれくらいの難易度なのか、他の試験と比較してどれくらい難しいのか感覚的に、時には理論的に述べていきたいと思います。
相対評価だから難易度が高く感じる
司法書士試験は『相対評価』です。いわゆる既定の点数を取った人が合格できる『絶対評価』とは違い、成績上位から何パーセントまでを合格者とする試験となっています。
ですから全受験生の上位の数パーセントの中に入らなければ合格できないのです。すごく試験の出来がいいと感じても、他の受験生も成績が良ければ相対的に下位になって合格できないことがあります。
試験が簡単だったという時ほど、合格が難しいとも言われてますね。
司法書士試験の合格率は近年の受験生の減少に伴って、緩やかにですが上がって来ています。ひと昔前は「司法書士試験の合格率は3%」と言われていました。
平成31年度の司法書士試験はというと、
- 受験者数 13,683人
- 合格者 601人
ですから合格率は
4.39%です。
上がったと言っても1パーセントです。100人中4人くらいしか合格しません。うーん。かなりのムリゲーですね。今考えてもどうして合格できたかわかりません。
択一の基準点突破できないと土俵に立てない
司法書士試験は3つの基準点を突破しなければなりません。
- 午前の部の多肢択一試験
- 午後の部の多肢択一試験
- 午後の部の記述式試験
についてそれぞれ一定以上の点数を取らなければ、その時点で不合格です。
例えば、午前と午後の択一試験が満点でも、記述式で基準点を超えていなければ総合得点で合格点を上回っていても不合格です。
基準点を超えるまでが大変な試験だと言われていますが、基準点を全部満たしていても合格できないんですよね。
そうです。基準点に到達しても合格点に到達しなければなりません。
例えば、令和2年度の司法書士試験について考えてみると、基準点を全てギリギリで突破しても合計点は179点です。筆記試験合格点は280点満点中205.5点以上なので、合格点に届くまで26.5点足りないということです。
この上乗せ点を取るのが大変なのです。択一式の試験に換算すると、令和2年度は9問以上基準点よりも多く取らなければなりません。
この上乗せ点をいかに択一式試験で取れるかが合否を分けると言えるでしょう。まあ、記述式が圧倒的に得意という方は例外でしょうけど。
【令和3年度】司法書士筆記試験の合格発表がされました!合格の目安となる勉強時間は
司法書書士試験の合格に必要な勉強時間は約3,000時間と言われています。あくまでも平均ですから、この時間勉強すれば絶対に合格できるとは限りません。
仕事をせずに勉強に集中できる人、専業受験生が1日8時間勉強したとして、1日も休まずに勉強しても375日かかります。約1年ですね。仕事をせずに死ぬほど勉強すれば一年での合格も夢ではないということでしょう。
ただ、要領のいい人はもっと少ない勉強時間で合格できると思います。勉強計画などを予備校に頼れば、あとは一心不乱に勉強を続ければいいので、短期合格を目指すなら予備校の活用をお勧めしたいです。
社会人で仕事をしながらですと、平日の勉強時間は3、4時間、土日で各8時間勉強できるとして週に約35時間くらいの勉強時間になるでしょうか。休まずに勉強できれば2年弱で勉強時間を満たすことができます。
わたしは仕事をしながら3年かかりましたので、おそらく3000時間以上は勉強していると思います。
まぁ、あくまでも勉強時間は目安ですからね。実際にどれだけ実力つけるかが大切です。
司法書士試験と行政書士試験の難易度を比べると
行政書士は絶対評価なので努力すれば必ず合格
行政書士試験は絶対評価の試験です。つまり、合格点が定められているのでその点数を超えると誰でも何人でも合格できます。
- 法令科目では244点中122点以上
- 一般教令科目では56点中24点以上
- 合計300点中180点以上
上記のような基準点が定められていて、それをクリアできれば合格です。
行政書士も難易度は高いと一般的に言われています。確かに初学者が挑戦するとなると法律用語などなれていないので難しく感じるでしょう。
また行政書士試験はさまざまな科目があり、満遍なく勉強するのが大変と感じることもあります。
でも司法書士試験と比べると難易度は圧倒的に低いでしょう。
司法書士をレベル10段階の8とすると、行政書士試験は2くらいですかね(わかりにくいですね、これ)。
感覚から言うと4倍くらい司法書士試験の方が大変です。2倍ではないことは確かです。後述する土地家屋調査士試験のほうが行政書士よりも難しかったので、3倍ではなく、4倍くらい司法書士試験のほうが難しいというのが私の感覚です。
誤解しないでいただきたいですが、行政書士試験も簡単ではありませんよ。あくまでも司法書士試験と比べると、という表現です。
参考までに、わたしは司法書士試験に合格後7年経過して行政書士試験に合格しました。それまでまったく試験勉強から離れていましたが、行政書士試験のために勉強した期間は3ヶ月です。行政法の過去問を1日1時間くらい一生懸命に勉強しただけです。
司法書士試験で覚えた細かい論点は忘れていました。でも、司法書士試験のときに勉強した知識で行政書士の試験は楽に合格することができました。それほど司法書士の勉強は苦労したということです。
やはり行政書士と司法書士の試験のレベルは違うと言わざるを得ません。
【ダブルライセンス】司法書士と合わせて行政書士の資格も取ると良いことあるよということを実際の合格者がお伝えします司法書士試験と土地家屋調査士試験を比べると
土地家屋調査士試験も相対評価
土地家屋調査士試験も司法書士試験と同じく相対評価です。私が合格した頃は、合格率は6%くらいと言われていました。現在では合格率10%近くまで上がっているんですね。これは受験者数の減少が影響しているのでしょう。
毎年一定数の合格者を確保しなければならないので、受験者数が減れば合格率が上がるのは必然です。
合格率は上昇しているとはいえ、土地家屋調査士試験も難関試験ですね。決して簡単な試験ではありません。
しかし、司法書士試験と比較すると難易度は低いといえます。実際に二つの試験を合格した者から言わせてもらうと、
「土地家屋調査士試験合格したから、司法書士もいけるかも」なんて考えているとしたら
一度は必ず後悔することになることを保証しましょう
レベルが違います。勉強量が違います。わたしは土地家屋調査士の試験は独学で1年で合格しました。ちょっと調子に乗っていたのでしょう。
ぼくって天才だから司法書士も独学でいけるべ
なんて思って手を出しましたが…
合格できる気がしない。いつになったら合格できるのだろう。
と死んだ魚の目をしながら生活していました。
土地家屋調査士も間違いなく難関資格です。合格するのは簡単ではありません。でも司法書士は感覚から言うと3倍くらいの勉強と努力が必要かなと思いました。
【ダブルライセンス】司法書士なら土地家屋調査士の取得がかなりおススメです司法書士試験の難易度はどれくらいなの?
司法書士試験の難易度はどれくらいか、これを分かりやすく表現できる方が果たしているのでしょうか。
一番比較しやすいのは勉強時間でしょうかね。司法書士試験の目安は3000時間ですが、あくまでも目安です。予備試験や司法試験は6000時間ほどと言われています。行政書士は600時間です。そして土地家屋調査士がおよそ1000時間です。
それを考えると、土地家屋調査士と司法書士を比べると3倍、行政書士と司法書士を比べると5倍、ということになるので、この記事でわたくしが示した感覚はあながち間違っていないということになるでしょう。
行政書士や土地家屋調査士を合格された方が、司法書士試験を目指そうというときに一つの目安となれば幸いです。
いきなり司法書士試験を目指そうと思っている方が、どれだけの難易度かを知りたいのであれば…
1年で合格するのはすごく難しいよ、3年でも厳しいこともあるよ、5年やってダメならやめた方がいいよ、くらいの感覚でよろしくです。
タケさん(@takesanblog)でした。